●求人に「女性歓迎」はNG?男女雇用機会均等法とポジティブ・アクションとは

求人に「女性歓迎」はNG?男女雇用機会均等法とポジティブ・アクションとは

人事担当者は求人広告を出す際、男女雇用機会均等法に気をつけなければなりません。男女雇用機会均等法は1986年に施行されてからすでに約30年が経過していますが、しばしば見落とされ、法律に抵触する文言が求人広告に掲載されるケースが見受けられます。

また、男女雇用機会均等法の「ポジティブ・アクション」に関する規定について、正しく理解することが必要です。今回は男女雇用機会均等法とポジティブ・アクションについてご紹介します。

●男女雇用機会均等法とは

男女雇用機会均等法とは

男女雇用機会均等法の目的は、職場における男女差別を禁止し、採用から昇進、退職など、あらゆる場面における男女平等を実現することです。

男女雇用機会均等法は1997年に一部改正され、女性保護のために設けられていた時間外労働や休日労働、深夜業務などの規制を撤廃し、会社はセクシャルハラスメント防止のための管理義務があることを明示しました。

 

募集要項や求人広告に「ウエイター」「○○レディ」のように、職種に男女のいずれかを表す名称を用いることは、男女雇用機会均等法によって禁止されています。

 

ただし、職種により性別の違いで異なる取り扱いが必要なケースもあります。例えば、防犯上の理由から守衛や警備員などに男性を採用したり、神社の巫女として女性を採用したりする場合です。これらの職種は適用除外となります。

●ポジティブ・アクションとは

ポジティブ・アクションとは

ポジティブ・アクションは、これまでの固定的な男女の役割分担意識から営業職に女性を採用しない、管理職の大半を男性が占めているなどの状況を解決する取り組みです。多くの職場で生じていた男女間の雇用差別を是正するために設けられました。

 

男女雇用機会均等法の第14条には「国は、事業主が雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情の改善を目的とした措置を講じる」とあり、国としてポジティブ・アクションを推進しています。

●ポジティブ・アクションが適用される場合とは?

ポジティブ・アクションが適用される場合とは?

では、このポジティブ・アクションはどのような場合に適用されるのでしょうか。

 

ポジティブ・アクションが適用されるケースは、「固定的な男女の役割分担意識に根ざす企業制度や慣行に基づき、雇用の場において男女労働者の間に事実上格差が生じている」場合です。具体的には、女性労働者が同一職務・役職の男性労働者と比較して4割を下回っている場合、格差が生じていると判断されます。

 

ただし、女性労働者の割合が4割を下回っている場合でも、単に女性を優遇する目的でポジティブ・アクションを適用することはできません。これまでの固定的な男女の役割分担意識により生じる状況を改善する目的が必要です。

●求人に「女性歓迎」と記載できるか

性別による差別を禁じる男女雇用機会均等法では、求人広告の募集要項に「女性歓迎」と記載することは原則禁止されています。ただしポジティブ・アクションとして、これまでの固定的な男女の役割分担意識から生じる雇用の差を改善する取り組みは認められています。

したがって、営業職で女性の割合が4割を下回っている場合、募集要項に女性を歓迎する旨の表記が可能です。

●おわりに

今回は男女雇用機会均等法とポジティブ・アクションについてご紹介しました。男女雇用機会均等法は性別による差別を禁止していますが、実際には女性が能力を発揮しづらい職場も少なくありません。

企業の持続的な成長のためには、女性が妊娠や育児を経ても安心して働くことができる環境づくりが重要です。人事担当者は男女雇用機会均等法およびポジティブ・アクションについて十分に理解を深め、人材採用・育成に努める必要があります。