●コンピテンシーの意味とは?コンピテンシーモデルの作り方と例

コンピテンシーの意味とは?コンピテンシーモデルの作り方と例

かつて日本では、多くの企業が年功序列による評価制度を採用しており、年齢や勤続年数などによって待遇が決められていました。しかし、1990年代のバブル崩壊以降、各企業は評価制度の見直しを行い、これまでの年功序列制に代わり新しい評価制度として「成果主義」や「能力主義」を導入しています。

しかし、社員の意欲を引き出し、企業の活性化や生産性の向上に貢献することを期待して導入された新しい評価制度が、「本人の能力と業績の関連性が明確でない」「測定が困難」「短期的な結果を重視するため、長期にわたって会社に利益をもたらす人材を育てにくい」と指摘されるようになりました。そこで、次なる評価基準として注目されている概念が「コンピテンシー」です。

そこで今回は、コンピテンシーの意味や、コンピテンシーモデルの作り方と例をご紹介します。

●コンピテンシーの意味とは?

コンピテンシーの意味とは?

コンピテンシーとは、一般的に「高い業績に結び付く行動や思考の特性」のことを意味します。

どの職場にも、高い成果を挙げる優秀な人材=ハイパフォーマーは一定の割合で存在しているはずです。ハイパフォーマーは、周囲の社員とは異なる考え方や行動特性を持っている傾向にあります。

コンピテンシーを用いた評価方法ではハイパフォーマーに共通する行動様式を分析し、評価基準として活用します。

●コンピテンシーモデルの作り方

コンピテンシーモデルの作り方

ハイパフォーマーに共通する行動・思考様式をまとめたものを「コンピテンシーモデル」と呼びます。コンピテンシーモデルは、職種や階級に応じて作成することが一般的です。作成するモデルは小さな単位であればあるほど、実際の仕事の行動モデルとして反映されやすくなります。

コンピテンシーモデルを作成する際は、各グループのハイパフォーマーにインタビューを行います。偏りのないモデル構築をするためには、複数のハイパフォーマーにインタビューを実施することが重要です。

インタビューでは、数名のハイパフォーマーに直近の1~2年で成功した業務について「どのような状況で、どのように行動したか」を聴取します。インタビューにより状況に応じた行動例が整理され、コンピテンシーモデルを作成するための「高い業績に結び付く行動・思考」が浮かび上がってきます。

●コンピテンシーモデルの例

例えば、営業部のハイパフォーマーにインタビューした結果、共通して「商談が不成立だった場合でも、商談終了後、商談相手に対して積極的に情報発信をする」行動を取っていたと仮定しましょう。その場合、「商談不成立時にも積極的に情報を発信する」をモデル行動とし、同様の行動を取っている社員に高い評価を与えます。

●コンピテンシーモデルの活用

コンピテンシーモデルの活用

コンピテンシーモデルは社員評価に利用できる他、社員意識の醸成や人材育成に生かすこともできます

例えば、モデルとなる行動様式を定め、理想的な人材像を明示することにより、社員は会社が期待する姿勢や行動を理解できるようになります。

さらに、各課でコンピテンシーモデルを作成すると共に社員一人一人の行動様式を調査することにより、有効な人材活用を行うことも可能です。調査した各社員の行動様式をもとに、コンピテンシー要素を持つ職場へ人事配置を行いましょう。各人がより高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。

●おわりに

「成果を生み出す行動」を評価基準とするコンピテンシー評価は、会社が期待する行動を社員に定着させ、業績向上に結び付けやすいメリットがあります。このような点が、結果に基づいて評価する成果主義や、スキルに基づいて評価する能力主義とは大きく異なります。

コンピテンシーの意味を正しく理解した後にコンピテンシーモデルを評価に活用し、人事評価に役立ててください。